創作・著作権

AIで作った画像を「自分の作品」として投稿してもいい?著作物になるかは人の関わり方しだいで、AIの表示は投稿先のルールで決まる

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わかっている度 ★★☆ 中研究4本・公的資料4件・公式ヘルプ2件を整理
木の机に置いた水彩絵の具と筆、白いスケッチブック
Photo: Tim Arterbury / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関の資料をAIが調べて整理しました(法律の判断や商品の紹介はしていません。出典は末尾)。

AIで作った画像をSNSや投稿サイトに載せたい。でも「自分の作品」と言っていいのか、AIを使ったと書くべきか迷う人は少なくありません。結論から言うと、文化庁の考え方では、AIは著作者になれません。著作物になるかは、人の関わり方しだいです。AIの表示は、選挙の発信を除けば、投稿先のルールで決まるのが今の形です。

3行でわかる

  1. 文化庁の考え方では、AIは著作者になれません。AI画像が著作物になるかは、指示や加筆・修正に人の「創作的寄与」があるかで、1点ずつ判断されます。
  2. AIの表示を法律で求める場面として、総務省は、選挙運動などでネットに載せる文書の画像・映像を挙げています(2027年3月1日施行)。ふだんの投稿は、投稿先の規約やヘルプのルールに従います。
  3. 研究では、同じ絵でも「AI作」と表示すると評価が下がりやすい一方、その差は短い説明を添えると小さくなりました。「AIが何をしたか」まで書くと誤解されにくい可能性があります。

01 結論から言うとAIで作った画像は「自分の作品」と言える?

文化庁の考え方では、AIは著作者になれません。AI画像に著作物性が認められるのは、人の指示や加筆・修正に創作的寄与がある場合です。指示がアイデア止まりなら、著作物性は認められないとされています。

著作権法では、著作者は「著作物を創作する者」です。文化庁の考え方では、AIは法的な人格を持たないため、この「創作する者」に当たらないとされています[1]。

AI画像が著作物と判断された場合、著作者になるのは、AIを使って創作した人です。判断は1点ずつ、人の創作的寄与がどの程度積み重なっているかを総合的に見て行うとされています[1]。判断の要素として挙げられているのは次の4つです。

人の関わり方文化庁の考え方[1]
指示(プロンプト)表現を具体的に示す詳細な指示は、創作的寄与と評価される可能性を高める。長くても、アイデアを示すだけの指示は影響しない
生成の回数回数が多いこと自体は影響しない。生成物を見て指示を直しながら試すと、認められることもある
複数の中から選ぶ選ぶだけの行為は、それ自体では影響しない
人の加筆・修正創作的表現といえる加筆・修正をした部分には、通常、著作物性が認められる。それ以外の部分には影響しない

作品の一部にAI画像を使っても、人が創作した部分の著作物性までは否定されないとされています[1]。一方で、著作物でないものを著作物だと称して、ライセンス契約などの取引で流通させた場合は、債務不履行や不法行為、詐欺罪に当たる可能性が考えられるとされています[1]。自分のケースがどれに当たるかは、個別の判断になります。

AIで作ったものを仕事で使うときの確認はAIで作った文章や画像を仕事で使っても大丈夫?、自分の作品が学習に使われる側の話は自分の作品がAIの学習に使われたか知る方法はある?にまとめています。

02 研究とデータでわかっていること「AIで作った」と書くと、評価は下がる?

研究では、同じ絵でも「AI作」と表示すると評価が下がりやすい結果でした。ただし差の大きさは説明しだいで、短い解説やAIの役割の説明で小さくなっていました。

2,965人「AI作」と表示した絵の評価が下がった6つの実験の参加者(米国、2023年発表)
0.40→0.12点7段階の好みで「AI作」と「人の作」の差。約30語の解説を添えると縮小(2026年発表)
約3分の1「AI生成」の表示で見出しが信じられにくくなった大きさ。「誤り」の表示と比べて(米英、2024年発表)
2027年3月1日選挙運動などのネット文書で、AI画像・映像の表示が義務になる改正の施行日

AIの表示が求められる場面を、公的資料と主な投稿先の公式ページで確かめると、次のとおりです(2026年10月時点)。

場面AIの表示のルール
選挙運動などネットで頒布する文書に、AIで作成・改変した画像や映像を載せるときは、その旨の表示が必要。軽微な改変や、イラスト・アニメなど実写と誤認されるおそれのないものは対象外[2]
pixiv(イラスト)制作過程のすべて、もしくはほとんどをAIで生成した作品は、投稿時に「AI生成作品」へのチェックが必須[4]
YouTube(動画)実在の人物の言動や実際の出来事を改変したもの、現実に起きていない場面をリアルに生成したものは開示が必要。明らかに非現実的な内容や、美顔フィルタなどの軽微な編集は不要[3]

選挙の偽画像・偽動画への備えは、選挙のディープフェイクに惑わされないためにで整理しています。

Hortonら(2023, Scientific Reports)[5]

同じ絵でも「AI作」と表示すると、さまざまな面で評価が下がりました。人とAIの共同制作と説明した絵の評価は、「人の作」より低く「AI作」より高い、中間でした。

対象: 米国の成人2,965人(6つの実験。一部は全米を代表する標本) / 限界: 短時間のオンライン実験で、SNSでの実際の反応を測ったものではありません。

Wangら(2026, Frontiers in Psychology)[6]

見せた絵はすべてAIが生成したもので、表示だけを「AI」か「人」に変えました。表示による評価の差は、7段階で0.40点ありました。目に見える特徴を説明する約30語の解説を添えると、差は0.12点に縮みました。

対象: 127人(平均22〜25歳の若い成人が中心)、静止画の絵画24点 / 限界: 年齢や背景がそろった標本で、ほかの年代や文化で同じ結果になるかは確かめられていません。

AltayとGilardi(2024, PNAS Nexus)[7]

ニュースの見出しに「AI生成」と表示すると、内容が本当でも人が書いたものでも、信じる度合いと共有したい気持ちが下がりました。理由は、AIが全部作ったと思われることでした。「AIで文章を読みやすくした」「AIが下書きを書いた」と説明すると、この疑いは見られませんでした。

対象: 米国と英国の成人4,976人 / 限界: 画像ではなく見出しの研究です。絵の投稿に同じことが当てはまるかは、直接は確かめられていません。

Epsteinら(2020, iScience)[8]

AIで作られた絵の制作の流れを読んだ人は、関わった人の中で、AIを使ったアーティストに最も多くの功績と責任を割り当てました。ただ、AIを「自分で動く主体」のように説明すると、アーティストの責任は小さく見積もられました。

対象: オンライン調査サービスの参加者 / 限界: 架空の制作事例を読ませた実験で、見せ方の言葉と、AIのふるまいの説明を切り分けきれていないと著者が述べています。

03 まだわかっていないことAIの表示に、正しい書き方はある?

どの書き方が最も誤解されにくいかは、まだわかっていません。研究の多くは米国などの短時間の実験で、日本のSNSで表示を続けた場合の影響を追ったものは、今回の調査では見つかりませんでした。

  • 「AIが何をしたか」の説明で疑いが減った研究は、見出しが対象です[7]。画像の投稿で、同じ説明の仕方が効くかは確かめられていません。
  • AI画像の著作物性は1点ずつ判断されるとされ、生成AIと著作権を直接扱った裁判例は、文化庁の考え方の公表時点で乏しいとされています[1]。
  • 投稿先のルールは改定されることがあります。pixivのガイドラインも2026年3月に改定されています[4]。

04 今日からできることAI画像を投稿する前に、何を確かめる?

投稿先の規約でAIの表示ルールを確かめ、「どこまでAIか」を一言添えます。指示の工夫や加筆の記録を残し、コンテストや販売では応募規約を先に読みます。

1

投稿先の規約とヘルプで、AIの表示ルールを確かめる

表示が必須か、どの程度AIを使ったら対象になるかは、サービスごとに違います。pixivはチェック必須の範囲を、YouTubeは開示が要る内容を、公式ページで示しています。

目安 サービスごとに10分(規約が変わったら読み直す)

2

「AIが何をしたか」を一言添える

「下絵はAI、仕上げと加筆は手描き」のように、AIの役割を具体的に書きます。見出しの研究では、AIの役割を説明すると「全部AI」という思い込みによる疑いが見られませんでした。

目安 投稿ごとに1分

3

指示・修正・加筆の記録を残す

文化庁の考え方では、指示の具体性、指示を直しながらの試行、人の加筆・修正が創作的寄与の判断要素です。使った指示、途中の画像、加筆前後のファイルを日付つきで保存します。

目安 作品ごとに3分

4

コンテストや販売では、応募規約と契約を先に読む

AIの利用を認めるか、申告が必要かは、募集要項や規約で確かめます。著作物でないものを著作物と称して取引すると、責任を問われる可能性があるとされています。

目安 応募・出品ごとに15分

自分の絵がAIにまねされたと感じたときは自分の絵をAIにまねされた、発表を続ける守り方はAIに作品をまねされて、発表を続けるのが怖い、AIの絵と比べて自信をなくしたときは姉妹メディアのAIの絵と比べて、自分の絵に自信がなくなるをどうぞ。

困ったときの相談先
文化芸術活動に関する法律相談窓口(文化庁、Webフォーム): AIと著作権に関する相談。弁護士が対応し、原則10日以内(土日祝日等を除く)にメールで回答。
法テラス・サポートダイヤル(0570-078374): どこに相談すればよいかわからないとき。平日9時〜21時、土曜9時〜17時。

05よくある質問

AIで作った画像に、著作権はあるの?

文化庁の考え方では、AIは著作者になれず、指示がアイデアにとどまる場合、AI画像に著作物性は認められないとされています。表現を具体的に示す詳細な指示や、人の創作的な加筆・修正がある部分には、著作物性が認められることがあるとされています。判断は1点ずつ個別に行われます。

SNSにAI画像を載せるとき、「AI生成」と書くのは法律で決まっている?

総務省の資料で法律上の表示義務として示されているのは、選挙運動などでネットに載せる文書の画像・映像です(2027年3月1日施行)。ふだんの投稿は、投稿先の規約やヘルプのルールに従います。pixivのように、ほとんどをAIで生成した作品に表示を必須としているサービスもあります。

AIを使ったと書くと、作品の評価は下がる?

研究では、同じ絵でも「AI作」と表示すると評価が下がりやすい結果でした。ただし、絵の特徴を説明する短い解説を添えると差は小さくなり、見出しの研究では、AIの役割を説明すると疑いが見られませんでした。

AIで作った画像をコンテストに出してもいい?

AIの利用を認めるか、申告が必要かは、コンテストごとの応募規約で決まります。文化庁の考え方では、著作物でないものを著作物だと称して取引で流通させると、債務不履行や詐欺罪などに当たる可能性があるとされています。迷うときは主催者に確認するか、法律相談窓口を使えます。

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出典

  1. 文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会 (2024). AIと著作権に関する考え方について(令和6年3月15日). https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/94037901_01.pdf
  2. 総務省 (2026). 公職選挙法及び特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律の一部を改正する法律 概要. https://www.soumu.go.jp/main_content/001082868.pdf
  3. YouTube ヘルプ. 改変されたコンテンツや合成コンテンツの使用に関する開示. https://support.google.com/youtube/answer/14328491?hl=ja
  4. pixiv. ガイドライン(2026年3月18日改定). https://www.pixiv.net/terms/?page=guideline
  5. Horton CB Jr, White MW, Iyengar SS (2023). Bias against AI art can enhance perceptions of human creativity. Scientific Reports, 13, 19001. https://doi.org/10.1038/s41598-023-45202-3
  6. Wang Y, Cao Y, Cai J, Sun B (2026). Where does the bias begin? Cognitive processing differences in the aesthetic evaluation of AI-generated art. Frontiers in Psychology, 17, 1827956. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1827956
  7. Altay S, Gilardi F (2024). People are skeptical of headlines labeled as AI-generated, even if true or human-made, because they assume full AI automation. PNAS Nexus, 3(10), pgae403. https://doi.org/10.1093/pnasnexus/pgae403
  8. Epstein Z, Levine S, Rand DG, Rahwan I (2020). Who Gets Credit for AI-Generated Art? iScience, 23(9), 101515. https://doi.org/10.1016/j.isci.2020.101515
  9. 文化庁. 文化芸術活動に関する法律相談窓口. https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/kibankyoka/madoguchi/index.html
  10. 法テラス(日本司法支援センター). 法テラス・サポートダイヤル. https://www.houterasu.or.jp/