子ども・学校

AI翻訳を使って出した課題が、不正だと言われた。研究では、先生は翻訳の使用に学生より厳しく、母語でない人の作文はAI判定で平均61.3%が誤って「AI」とされていた。直後は母語の下書きで経緯を説明する

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本を整理出典照合済み(2026-10-22)
開いた英語の辞書
Photo: Cullen328 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(法的な判断や商品の紹介はしていません。出典は末尾)。

母語で考えた内容を、翻訳ツールで日本語や英語にして提出した。そうしたら先生から「AIを使った不正では」と言われた。外国につながる生徒や留学生にとって、言葉の壁を越えるための工夫が疑いに変わるのは、とてもつらいことです。研究では、翻訳の使い方への見方は先生と学生で大きくずれており、母語でない人の文章はAI判定で誤って疑われやすいこともわかっています。直後にできることを整理します。

3行でわかる

  1. 翻訳ツールを使ってよいかは、授業ごとのルールで決まります。サウジアラビアの研究では、先生は学生より、翻訳を「認めにくい使い方」と評価していました。
  2. 米国の研究では、英語を母語としない人の作文91本が、7つのAI判定で平均61.3%、誤って「AIが書いた」とされました。判定の数字だけでは、不正の証拠になりません。
  3. 直後は、何が問題とされたのかを確かめ、母語の下書きや翻訳の前後の文で経緯を示し、内容を口頭で説明できることを伝えます。

01 結論から言うとAI翻訳で出した課題を不正と言われたら、まず何をする?

まず、問題とされたのが「翻訳ツールを使ったこと」か「AI判定の結果」かを先生に確かめます。次に、母語の下書きと翻訳の前後の文をそろえ、内容は自分で考えたことを示します。言い返す前に、材料をそろえるのが先です。

「不正」と言われたときの中身は、大きく2つに分かれます。1つは、ルールで認められていない翻訳ツールを使ったこと。もう1つは、AI判定ツールが文章を「AIが書いた」と判定したことです。

前者なら、ルールの確認と、どこまで自分で考えたかの説明が中心になります。後者なら、自分で書いた(または自分の文章を翻訳した)ことを示す記録が中心になります。どちらなのかで、そろえる材料が変わります。

翻訳を使っていない文章がAI判定で疑われた場合の考え方は、自分で書いたのに、AI判定ツールで「AIが書いた」と言われたで整理しています。

02 研究とデータでわかっていること翻訳ツールの使用は、先生にどう見られている?

サウジアラビアの研究では、先生は学生より翻訳の使用を認めにくいと評価し、その差は大きいものでした。また米国の研究では、英語を母語としない人の作文が、AI判定で平均61.3%、誤って「AIが書いた」とされました。

61.3%英語を母語としない人のTOEFLの作文91本を、7つのAI判定が誤って「AI」とした割合の平均(米国の研究、2023年)
97.8%同じ91本のうち、7つの判定のどれか1つ以上に「AI」とされた作文の割合
9%英語を学ぶ大学生60人がChatGPTに出した指示のうち、翻訳の指示の割合(サウジアラビア、作文の授業)
20人同じ研究で、8つのAIの使い方を「認められるか」評価した先生の数。翻訳は学生との差が大きかった

Alsadoon(2026) [1]

英語を学ぶ大学生60人が、ChatGPTを使ってよい条件で作文を書き、画面を録画して使い方を調べました。指示で多かったのは文の直し(22%)とアイデア出し(20%)で、翻訳は9%でした。8つの使い方を「認められるか」評価してもらうと、先生20人は学生より全体に厳しく、特に下書き・翻訳・言い換えで差が大きくなりました。学生は翻訳を「言葉の手助け」と見ていた一方、先生は認めにくい使い方の下のほうに置いていました。

対象: サウジアラビアの1つの大学の女子学生60人と先生20人 / 限界: 1つの大学の英作文の授業の研究です。日本の学校の先生が同じように考えるかはわかりません。

同じ研究の聞き取りでは、大学のルールが何を認めているのかわからないと話す学生が何人かいました。著者は、翻訳のように見方が分かれる使い方こそ、具体例つきのルールが必要だとまとめています。

Liangら(2023) [2]

広く使われている7つのAI判定ツールに、人が書いた2種類の英作文をかけました。米国の中学2年生の作文88本はほぼ正しく「人が書いた」と判定されました。一方、英語を母語としない人がTOEFL(英語の試験)のために書いた作文91本では、平均61.3%が誤って「AIが書いた」とされました。7つすべてが「AI」としたのは19.8%、どれか1つでも「AI」としたのは97.8%でした。

対象: 中国のネット掲示板に投稿されたTOEFLの作文91本と、米国の中学2年生の作文88本 / 限界: 英語の作文の結果で、2023年の判定ツールのものです。日本語の文章や今のツールで同じ結果になるかはわかりません。

研究者は、母語でない人の文章は使う単語や言い回しの幅が狭くなりやすく、それが「AIらしい」と判定される理由の1つだと考えています。言葉を学んでいる途中の人ほど、疑われやすい仕組みがあるということです。

Ndacyayisengaら(2026) [3]

英語で学ぶ医療系の学生のうち、英語を母語としない学生にとって、生成AIを使った評価が公平かを調べた27件の研究をまとめました。学生たちは、AIを言葉の手助けとして役立つと感じる一方で、身に覚えのない不正の疑いをかけられる不安を抱えていました。ルールがあいまいなことが、その不安を強めていました。

対象: 2022〜2025年の27件の研究(医学・看護・薬学・歯学の学生) / 限界: 医療系の大学の研究で、1つの学校だけの研究も多く含まれます。まとめの中の数字には不一致もあり、ここでは傾向だけを紹介しています。

03 まだわかっていないこと日本語の課題でも、翻訳は疑われやすい?

日本語で書く課題で、翻訳ツールを使った文章や、日本語を母語としない生徒の文章がAI判定で誤って疑われやすいかを調べた研究は、今回の調査では見つかりませんでした。ここで紹介した数字は、英語の文章のものです。

  • 日本の中学・高校で、外国につながる生徒がAI翻訳の使用でどのくらい不正を疑われているかの調査は、見つかりませんでした。
  • AI判定ツールは改良が続いています。2023年の結果が、今のツールにそのまま当てはまるかはわかりません。
  • 翻訳ツールで訳した文章が、AI判定でどう扱われるかを直接調べた研究は、ほとんどありません。
  • 先生と生徒で翻訳への見方がずれる理由や、そのずれを小さくする方法も、まだ研究が少ない段階です。

04 今日からできること疑われた直後に、何をそろえればいい?

疑われた直後は、何が問題かを確かめ、母語の下書きと翻訳の前後の文をそろえます。そのうえで、内容を口頭で説明できると伝え、次からの使い方のルールを先生と決めます。

1

何が問題とされたのかを、先生に確かめる

「翻訳ツールを使ったことが問題ですか、それとも判定ツールの結果ですか」と聞きます。どのルールに当たるとされたのか、判定ツールを使ったならその結果を見せてもらえるかも聞いておきます。

目安 5分

2

母語の下書きと、翻訳の前後の文をそろえる

母語で書いたメモや下書き、翻訳ツールに入れた文、出てきた文、自分で直した部分を集めます。ファイルの保存日時や、学習用の端末の履歴も残しておきます。内容を考えたのが自分であることを示す材料になります。

目安 30分

3

内容を口で説明できると伝える

「書いた内容について、母語や日本語で説明できます」と伝えます。何を言いたかったのか、なぜその例を選んだのかを話せることは、自分で考えた証拠になります。言葉に不安があれば、日本語の先生や留学生の担当の先生に同席を頼めないか相談します。

目安 面談1回

4

次の課題から、翻訳の使い方のルールを先に決める

「翻訳ツールは使ってよいですか」「使うなら、どこまでですか」を課題の前に確かめます。使ったときは、提出物に「母語で下書きし、翻訳ツールで訳して自分で直しました」と一言添えます。

目安 課題ごとに3分

納得できないとき
説明しても判断が変わらず、成績や処分に関わる場合は、学校の決まりにある手続き(担任、学年の先生、学生の相談窓口など)で、判断の理由を文書で求められないか相談できます。

成績や不合格に関わる場合の進め方はAIを使ったとされ、課題が0点や不合格になったで、面談の準備はAIで書いたレポートで、先生から呼び出されたで整理しています。

05よくある質問

AI翻訳を使っただけで、不正になる?

なるかどうかは、授業や学校のルールで決まります。翻訳ツールの使用を認める授業もあれば、自分の言葉で書く力を見る課題では認めない授業もあります。サウジアラビアの研究では、先生は学生より翻訳の使用を認めにくいと評価しており、使う前にルールを確かめることが大切です。

自分で書いたのに、AI判定で「AIが書いた」と言われたら?

判定の結果だけで決めないよう、先生に伝えてかまいません。米国の研究では、英語を母語としない人が書いたTOEFLの作文91本を7つのAI判定にかけると、平均61.3%が誤って「AIが書いた」とされました。米国の中学2年生の作文はほぼ正しく判定されていました。母語の下書きや書いた過程の記録が、説明の材料になります。

次の課題から、翻訳ツールを使うときはどうすればいい?

課題を始める前に、翻訳ツールを使ってよいか、どこまでならよいかを先生に確かめます。使う場合は、母語で書いた下書きと、翻訳ツールに入れた文、自分で直した部分を残しておきます。使ったことを提出物に一言書いておくと、後から説明しやすくなります。

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出典

  1. Alsadoon R (2026). Perceptions vs. practices: academic integrity and actual ChatGPT use among EFL students. Frontiers in Psychology, 17. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1796737
  2. Liang W, Yuksekgonul M, Mao Y, Wu E, Zou J (2023). GPT detectors are biased against non-native English writers. Patterns, 4(7), 100779. https://doi.org/10.1016/j.patter.2023.100779
  3. Ndacyayisenga JCY, Kidega C, Aciro Can L (2026). The impact of generative artificial intelligence tools on assessment equity for non-native English-speaking medical students: a systematic review. BMC Medical Education, 26. https://doi.org/10.1186/s12909-026-09303-7