子ども・学校

子どもや学生はどのくらいAIを使っている?国の調査では高校生の46.2%、ただし数字は聞き方で大きく変わる

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わかっている度 ★★☆ 中研究2本・公的資料7件を整理
誰もいない教室に並ぶ机と椅子
Photo: Semtrio / CC BY 2.0 / Flickr
AIによる調査国と自治体の調査、国際調査、公開された研究をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

「周りの子はみんなAIを使っているの?」と気になる生徒や先生、保護者は少なくありません。結論から言うと、こども家庭庁の2025年度の調査では、生成AIを使っていた高校生は46.2%、10歳以上の小学生は8.6%でした。年齢が上がるほど多くなります。ただし、別の調査では15〜19歳の9割超という数字もあり、結果は聞き方で大きく変わります。

3行でわかる

  1. こども家庭庁の2025年度の調査では、ネットの使い道に生成AIを挙げたのは、10歳以上の小学生8.6%、中学生30.8%、高校生46.2%でした。10歳の4.0%から17歳の46.9%まで、年齢とともに増えています。
  2. 「一度でも使ったか」を聞いた総務省の調査では15〜19歳の91.7%、家庭学習での利用を聞いた東京都の調査では高校生の61.3%でした。数字の差は、対象・聞き方・時期の違いによるものです。
  3. 学校での利用はまだ限られています。2024年の国際調査で、授業などでAIを使った日本の中学校教員は17.4%でした。国の生成AIパイロット校は、2026年度で478校です。

01 結論から言うと子どもや学生は、何歳ごろからAIを使っている?

こども家庭庁の2025年度の調査では、生成AIを使う割合は10歳で4.0%、13歳で28.2%、17歳で46.9%でした。中学生になるころから大きく増え、高校生ではおよそ半数です。

この調査は、国が毎年行っている「青少年のインターネット利用環境実態調査」です。2025年度から、ネットの使い道の選択肢に「生成AI」が加わりました[1]。調査員が家庭を訪ねて調査票を配る方法などで、10〜17歳の3,060人が答えています。

下の表は、ネットを使っていると答えた子のうち、使い道に生成AIを挙げた割合です[1]。

年齢(回答者数)生成AIを使っている
10歳(277人)4.0%
11歳(353人)10.2%
12歳(360人)18.6%
13歳(404人)28.2%
14歳(413人)31.2%
15歳(379人)40.6%
16歳(409人)43.8%
17歳(435人)46.9%

9歳以下は、保護者が答えた別の調査です。6〜9歳の小学生では2.7%でした[1]。答えた人が違うため、10歳以上と直接は比べられないと注記されています。

02 研究とデータでわかっていること調査によって利用率がちがうのはなぜ?

利用率は、誰に・何を・いつ聞いたかで大きく変わります。「ふだんの使い道」を聞くと高校生で46.2%、「一度でも使ったか」をネットの調査で聞くと15〜19歳で91.7%でした。

46.2%ネットの使い道に生成AIを挙げた高校生(こども家庭庁、972人、2025年11〜12月)
91.7%生成AIを一度でも使ったことがある15〜19歳(総務省、206人、2026年1〜2月)
61.3%家での学習で生成AIを使ったことがある都内の公立高校生(東京都、2,014人、2025年度)
17.4%過去12か月に授業などでAIを使った日本の中学校教員(国際調査、2024年2〜3月)

3つの調査を並べると、次のとおりです。どれも公的機関の調査ですが、測っているものが違います。

調査聞き方と対象高校生・10代
こども家庭庁[1]ネットで何をしているか(使い道を選ぶ)。全国の10〜17歳、調査員が訪問46.2%
東京都教育委員会[4][5]家でネットを使って学習するとき、生成AIを使ったことがあるか。都内の公立学校の児童・生徒61.3%
総務省[2][3]仕事や日常生活で、生成AIを一つでも使ったことがあるか。調査会社のモニターへのネット調査91.7%

総務省の調査は、ネット調査のモニターから選んだ15〜19歳206人が対象です[3]。ネット調査のモニターなので、ネットをよく使う人が答えやすい形です。学生かどうかも問いません。こども家庭庁の調査は「ネットで何をしているか」を聞いており、「一度でも使ったか」より低く出やすいと考えられます。

増え方も速くなっています。東京都の調査では、家での学習で使ったことがある児童・生徒は、2024年度の16.9%から2025年度は38.0%に増えました[4][5]。学校種別では、小学校28.1%、中学校51.7%、高等学校61.3%、特別支援学校23.5%でした。

学校の中での使われ方は、生徒の利用より控えめです。

国立教育政策研究所 / OECD国際教員指導環境調査(TALIS 2024)[6]

過去12か月に、授業などでAIを使った日本の教員は、中学校で17.4%、小学校で16.0%でした。参加国の平均(中学校36.3%、小学校36.9%)の半分ほどです。

対象: 日本の中学校201校の教員3,558名、小学校202校の教員3,356名(2024年2〜3月) / 限界: 生成AIに限らない「AI」全般の質問で、2年前の時点の数字です。

文部科学省(2026年6月30日、中央教育審議会の資料)[7]

国の生成AIパイロット校は、2024年度の66校から2025年度は281校(協力校を含む)に増えました。2026年度は認定校を含め149自治体の478校です。区分別では、校務での利用が261校(ほかに認定校16校)、教育での利用が33校(ほかに認定校74校)でした。

対象: 国の事業に指定された学校 / 限界: 指定校の数で、全国の学校でどのくらい使われているかを示す数字ではありません。

Stöhrら(2024, Computers and Education: Artificial Intelligence)[8]

スウェーデンの大学生のうち、代表的な対話型AIを「よく知っていて、日常的に使っている」学生は35.4%でした。課題や試験に使うのは不正だと考える学生が61.9%いた一方、先生や大学に使い方のルールがあると答えたのは19.1%でした。

対象: スウェーデンの大学生5,894人(2023年4〜5月のネット調査) / 限界: 自分から回答した学生の調査で、AIに関心のある学生が多く答えた可能性があると著者が述べています。

Bastaniら(2025, PNAS)[9]

高校の数学の練習で、答えをそのまま聞けるAIを使った生徒は、練習中の成績が48%上がりました。ところが、AIを外したテストでは、AIを使わなかった生徒より成績が17%低くなりました。ヒントを出す形に設計したAIでは、この低下がほぼ抑えられました。

対象: トルコの高校1校の9〜11年生、約1,000人(2023〜24年度) / 限界: 1校の数学で、4回の練習授業の結果です。日本の生徒や他の教科にそのまま当てはまるかはわかりません。

家庭のルールの有無と使いすぎの関係は、家族がAIの話し相手にのめり込みそうで心配で整理しています。教室での実験と各国の授業の動きは、姉妹メディアのAI時代に学校の授業はどう変わる?が詳しく扱っています。

03 まだわかっていないこと使う子が増えると、学力は下がるの?

まだわかっていません。今回見た国の調査は利用の有無を数えたもので、学力や考える力との関係は調べていません。使い方による違いを示した実験はありますが、日本の子どもでの研究は見つかりませんでした。

  • こども家庭庁の調査は、2025年度に初めて生成AIを選択肢に加えました[1]。同じ聞き方での変化は、翌年度以降でないとわかりません。
  • 宿題・調べもの・相談のどれにどのくらい使っているかは、中学生以下について全国の内訳がありません。総務省の白書には15〜19歳の目的別の利用もありますが、206人と少人数です[2][3]。
  • 学習への影響の研究は、1校・短期間の実験が中心です[9]。何年も使い続けた場合の影響を追った研究は、今回の調査では見つかりませんでした。
  • 授業などでAIを使った教員の割合は2024年2〜3月の時点です[6]。その後の学校での利用の広がりを示す全国の数字は、今回は確認できませんでした。

04 今日からできること周りが使っていて焦るとき、何から始める?

「みんな使っている」は調査によって半数とも9割とも言えるので、数字に振り回されなくて大丈夫です。まず自分の学校と授業のルールを確かめ、自分で考えてからヒントを聞く使い方にします。

1

自分の学校と授業のルールを確かめる

使ってよい場面は、学校や授業ごとに決まります。配られたプリントや学校のページを見て、わからなければ先生に「この課題でAIを使ってもいいですか」と聞きます。考え方はレポートや宿題にAIを使ったら不正?にまとめています。

目安 授業ごとに5分

2

まず自分で解いて、つまずいた所だけヒントを聞く

高校の実験では、答えをそのまま聞いた生徒は、AIなしのテストで点が下がりました。ヒントにとどめると下がり方はほぼ抑えられていました。「答えは言わずにヒントだけ」と頼む方法があります。

目安 1問につき自分で5〜10分考えてから

3

使う前に、入れてはいけない情報を決めておく

名前・写真・学校名など、自分や友だちがわかる情報は入れないのが基本です。学校で使う前の確認点は学校で生成AIを使う前に、生徒が知っておきたいことで整理しています。

目安 最初に1回3分

4

「〇%が使っている」を見たら、3つを確かめる

誰に聞いたか(全国か一地域か、何人か)、何を聞いたか(今使っているか、一度でも使ったか)、いつの調査か。この3つで、同じ高校生でも46.2%にも91.7%にもなります。

目安 記事やニュースを読むたびに1分

05よくある質問

高校生は何割くらい生成AIを使っている?

こども家庭庁の2025年度の全国調査では、ネットの使い道に生成AIを挙げた高校生は46.2%でした。家での学習で使ったことがあるかを聞いた東京都の調査では、都内の公立の高校生で61.3%でした。「一度でも使ったか」を聞いた総務省のネット調査では、15〜19歳の91.7%でした。

小学生も生成AIを使っているの?

使っている子はいますが、少数です。こども家庭庁の2025年度の調査では、10歳以上の小学生で8.6%、保護者が答えた6〜9歳の小学生で2.7%でした。家での学習に限った東京都の調査では、都内の公立小学校の児童の28.1%が使ったことがあると答えています。

学校の授業で生成AIはどのくらい使われている?

全国で授業での利用率を示す国の数字は、今回は確認できませんでした。2024年の国際調査では、過去12か月に授業などでAIを使った日本の教員は、中学校17.4%、小学校16.0%で、参加国平均の半分ほどでした。国の生成AIパイロット校は、2026年度で478校です。

AIを使っていない自分は、遅れている?

使っていない高校生も、全国調査では半数ほどいます。高校の実験では、答えをそのまま聞く使い方だと、AIなしのテストで点が下がりました。使うかどうかより、学校のルールの範囲で、自分の考えを助ける使い方をするかが大切です。

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出典

  1. こども家庭庁 (2026). 令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)(2026年3月). https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/9a55b57d-cd9d-4cf6-8ed4-3da8efa12d63/67f41585/20260327_policies_youth-kankyou_internet_research_results-etc_21.pdf
  2. 総務省 (2026). 令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部 第1章 個人におけるAI利用. https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/pdf/n1110000.pdf
  3. 総務省 (2026). 令和8年版 情報通信白書 付注 国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究(調査の概要). https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/ne110000.html
  4. 東京都教育委員会 (2026年4月23日). 生成AI、子供たちの学習に急速に浸透 〜都内公立学校児童・生徒の利用が1年で倍増〜. https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/04/2026042308
  5. 東京都教育委員会 (2026). 令和7年度「児童・生徒のインターネット利用状況調査」参考資料(別紙). https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kyoiku/2026-04-23-090743-271
  6. 国立教育政策研究所. 我が国の教員の現状と課題 – TALIS 2024結果より –(OECD国際教員指導環境調査 TALIS 2024 報告書のポイント). https://www.nier.go.jp/kokusai/talis/pdf/talis2024_point.pdf
  7. 文部科学省 初等中等教育局 (2026年6月30日). 学校教育におけるAI活用に関するこれまでの取組と今後の方向性(中央教育審議会 初等中等教育分科会 デジタル学習基盤特別委員会 第10回 資料1). https://www.mext.go.jp/content/20260630-mxt_shuukyo01-000050664_2.pdf
  8. Stöhr, C., Ou, A. W., & Malmström, H. (2024). Perceptions and usage of AI chatbots among students in higher education across genders, academic levels and fields of study. Computers and Education: Artificial Intelligence, 7, 100259. https://doi.org/10.1016/j.caeai.2024.100259
  9. Bastani, H., Bastani, O., Sungu, A., Ge, H., Kabakcı, Ö., & Mariman, R. (2025). Generative AI without guardrails can harm learning: Evidence from high school mathematics. PNAS, 122(26), e2422633122. https://doi.org/10.1073/pnas.2422633122