心の疲れ・比べて落ち込む

AIで作った人物の画像と比べて落ち込みそう。「AI生成」と表示があれば平気?研究では表示があっても体への満足度は下がり、見る相手と時間を先に決めておくほうが確か

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わかっている度 ★★☆ 中研究4本を整理出典照合済み(2026-10-14)
鏡の飾りがついた屋内のメリーゴーラウンド
Photo: Kirt Edblom from Albany, Oregon, United States / CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

SNSには、AIで作った人物や、AIで整えた顔・体の画像が増えています。「AI生成」と書いてあれば、本物ではないとわかるから比べずにすむ。そう考えたくなりますが、研究の答えは違いました。表示があっても、見たあとの体への満足度は同じように下がっていました。表示に頼らず、何をどれだけ見るかを前もって決めておくのが、今わかっている範囲での備え方です。

3行でわかる

  1. 2026年の実験では、AIで作ったインフルエンサーの画像を見た女性は、「AIで作った」と知らされていてもいなくても、体への満足度が同じように下がりました。
  2. 人のインフルエンサーとバーチャルのインフルエンサーで、見たあとの体への不満に差はありませんでした。加工の表示を調べた15本の実験のまとめでも、表示は全体として不満を減らしていませんでした。
  3. 表示を安心の材料にせず、落ち込みやすい画像の種類を知り、フォローする相手と見る時間を先に決めておくことが、備えになります。

01 結論から言うと「AI生成」の表示があれば、比べて落ち込まずにすむ?

表示だけでは防げない、というのが今の研究の答えです。AIで作った画像だと知っていても、見たあと体への満足度は下がっていました。表示に頼らず、何をどれだけ見るかを前もって決めておくほうが確かです。

画像に付く「AI生成」や「加工あり」の表示は、その画像が本物かどうかを知る手がかりです。SNSでの表示の役割と限界は、SNSの「AI生成」の表示、付いていない投稿は本物と思っていい?で整理しています。自分でAIの画像を投稿するときの表示については、AIで作った画像を「自分の作品」として投稿してもいい?をご覧ください。

この記事が扱うのは、見る側の気持ちです。研究では、「これは本物ではない」と頭でわかることと、見たときに自分と比べて気持ちが沈むことは、別々に起きていました。そのため、表示を見て安心するより、比べやすい画像に出会う回数そのものを前もって整えるほうが、今の研究に沿った備えになります。

02 研究とデータでわかっていることAIの画像や加工の表示は、気持ちにどう影響する?

AIで作った人物の画像は、人の画像と同じように体への不満を高めていました。AIで作ったと知らせても、加工を知らせる表示を付けても、全体として落ち込みは減っていません。一部の人では、表示がかえって不満を強めていました。

296人AIで作った画像だと知らせる・知らせないで比べた実験の参加者。どちらの群も見たあと体への満足度が下がった(SNSをよく使う女性、2026年発表)
差なし人とバーチャルのインフルエンサーの画像で、見たあとの体への不満を比べた結果(18〜74歳の女性303人、2026年発表)
15本加工の表示や注意書きの効果を調べた実験の数。全体として不満や落ち込みを減らしていなかった(2019年2月までの研究のまとめ)
4週間表示つきの画像を毎週見てもらった追跡でも、気分や摂食の症状を守る効果は見られなかった期間(女子大学生、2018年発表)

Bennettら / International Journal of Eating Disorders(2026)[1]

SNSをふだんから使う女性296人を、「画像はAIで作ったもの」と知らされる群と、知らされない群に分けました。AIで作った女性インフルエンサーのInstagram風の画像10枚を見てもらうと、2つの群のどちらも、見たあとに体への満足度が下がりました。知らされたかどうかで、下がり方に差はありませんでした。知らされた群では、技術への信頼がより大きく下がっていました。

対象: SNSをよく使う女性296人(無作為に割り当てた実験) / 限界: 1回、10枚を見た直後の変化。男性や、長く見続けたときの影響はわからない。

Tianら / Body Image(2026)[2]

18〜74歳の女性303人を、人のインフルエンサー、バーチャルのインフルエンサー(人に似せて作られたデジタルのキャラクター)、建物の画像を見る3つの群に分けました。インフルエンサーの画像を見た2つの群では体への不満が高まり、人とバーチャルの間には差がありませんでした。顔への不満や美容整形への関心は、建物の画像の群と差がありませんでした。

対象: ネットで募集した成人女性303人 / 限界: 短い時間の実験。年齢や比べやすさの個人差で結果は変わらなかったが、男性は含まれていない。

McComb・Mills / Body Image(2020)[3]

やせた体型を理想とする雑誌の広告などの画像に「加工されています」などの表示や注意書きを付けた実験15本をまとめました。表示は全体として、画像を見たあとの体への不満や気分の落ち込みを減らしていませんでした。もともと体への不満が強い人では注意書きがかえって不満を強め、加工のしかたを具体的に書いた表示が、比べやすい人の不満を強めた研究もありました。

対象: 主に若い女性を対象にした実験15本(2019年2月22日より前の発表) / 限界: AIで作った画像を扱った研究は含まれていない。10代や男性の研究は今後の課題とされている。

Kwanら / International Journal of Eating Disorders(2018)[4]

女子大学生118人を、警告の表示つき・表示なしのファッション画像を見る群に分けました。その場では、表示は気分や体への不満に効果がありませんでした。続く4週間、毎週新しい画像を見てもらった追跡(64人が参加)でも守る効果はなく、表示つきの群では見た目を気にする度合いが高まっていました。

対象: アメリカの女子大学生 / 限界: 追跡に参加したのは半分ほど(54%)で、雑誌の画像を使った研究。

03 まだわかっていないことどんな備えなら、AIの画像との比較を防げる?

まだ確かめられていません。表示が効かないことは複数の研究で一致していますが、AIの画像に限って「これなら防げる」と確かめた研究は見つかりませんでした。見る量を減らす備えは、研究からの推測です。

  • AIで作った人物の画像の影響を調べた研究は、まだ数が少なく、どれも1回の短い実験です。長く見続けたときの影響はわかっていません。
  • 研究の参加者はほとんどが女性です。男性や10代で同じ結果になるかは、確かめられていません。
  • フォローを見直す・見る時間を決めるといった備えが、AIの画像との比較に限ってどれだけ効くかを直接調べた研究は、今回の調査では見つかりませんでした。04の工夫は、「画像を見ること自体で不満が高まる」という結果からの推測です。
  • 表示の書き方を変えれば役に立つのか(たとえば加工前と後を並べるなど)も、まだ結論が出ていません。

04 今日からできること比べて落ち込む前に、何を決めておけばいい?

落ち込みやすい画像の種類を書き出し、フォローする相手を見直し、見る時間と場面を先に決めます。「AI生成」の表示は本物かどうかの手がかりとして使い、気持ちを守る役目は期待しないでおきます。

1

落ち込みやすい画像の種類を書き出す

ここ1週間で、見たあとに自分の顔や体が気になった画像を思い出し、「AIで作った人物」「加工の強い自撮り」「体型を見せる投稿」など種類で3つまでメモします。避けたいものが具体的になります。

目安 5分

2

フォローしている相手を、種類ごとに見直す

1で書いた種類の投稿が多いアカウントを、フォローを外す・表示を減らす・ミュートするなどで整理します。AIの人物でも人のアカウントでも、研究では見たあとの反応は同じでした。全部でなく、気になる上位5つからで十分です。

目安 10分

3

見る時間と場面を、先に決めておく

「疲れている夜は見ない」「朝の支度中は開かない」など、比べやすい時間帯を1つ決めて避けます。スマホの標準の利用時間の機能で、SNSの1日の上限を決めておくのも手です。

目安 設定5分

4

「AI生成」の表示を見たら、気持ちの確認を1回する

表示は本物かどうかを知る手がかりとして使い、「AIだから大丈夫」とは考えないでおきます。見たあとに「今、自分の見た目が気になっていないか」を一度だけ確かめ、気になっていたらその場で閉じます。

目安 1回10秒

比べて落ち込む気持ちが続いて、日常生活に影響が出ているときは、ひとりで抱えずに身近な人や専門家に相談してください。

05よくある質問

「AI生成」と書いてある画像なら、比べても落ち込まない?

研究では、そうなりませんでした。296人の女性の実験で、AIで作った画像だと知らされた人も知らされなかった人も、画像を見たあと体への満足度が同じように下がっていました。表示は「本物かどうか」を知る手がかりにはなりますが、気持ちを守る役目までは期待しにくいと考えられます。

実在しないバーチャルの人なら、比べる意味がないとわかるから平気?

実験では、人のインフルエンサーの画像でも、バーチャルのインフルエンサーの画像でも、体への不満は同じように高まり、両者の差は見られませんでした。頭で「実在しない」とわかっていても、見たときの反応は似ていた可能性があります。

加工の表示を義務にすれば、落ち込む人は減る?

今ある研究からは期待しにくい状況です。15本の実験をまとめたレビューでは、表示は全体として体への不満や気分の落ち込みを減らしておらず、一部の人ではかえって不満を強めていました。どんな表示なら役に立つのかは、まだわかっていません。

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出典

  1. Bennett, B. L., Lamere, A., Kopan, A., Wood, E., Hari, R., & Wright, E. (2026). Filtering Trust: Disclosing the Role of Artificial Intelligence Decreases Trust in Technology, but Does Not Prevent Harm to Body Image After Viewing AI-Generated Content. International Journal of Eating Disorders, 59(6), 1304-1312. https://doi.org/10.1002/eat.70059
  2. Tian, H., Rouse, S. V., Yoon, S., & Harriger, J. A. (2026). Is beauty in the AI of the beholder? Exposure to human vs. virtual influencers and effects on appearance dissatisfaction and interest in cosmetic surgery. Body Image, 58, 102130. https://doi.org/10.1016/j.bodyim.2026.102130
  3. McComb, S. E., & Mills, J. S. (2020). A systematic review on the effects of media disclaimers on young women's body image and mood. Body Image, 32, 34-52. https://doi.org/10.1016/j.bodyim.2019.10.010
  4. Kwan, M. Y., Haynos, A. F., Blomquist, K. K., & Roberto, C. A. (2018). Warning labels on fashion images: Short- and longer-term effects on body dissatisfaction, eating disorder symptoms, and eating behavior. International Journal of Eating Disorders, 51(10), 1153-1161. https://doi.org/10.1002/eat.22951