詐欺・なりすまし

偽の通販サイトで買ってしまい、商品が届かない・偽物が届いた。まず払った先に連絡し、注文画面とURLを残す

約8分で読めます

わかっている度 ★★☆ 中研究2本・公的資料10件を整理
玄関先に届いた、つぶれた段ボール箱
Photo: Meanwell Packaging / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

SNSの広告や検索で見つけた安いお店で注文したのに、商品が届かない。届いたのは偽物だった。本物そっくりのサイトにだまされたのは、あなたの落ち度ではありません。気づいた今すぐにすることは、払った先への連絡と、サイトの画面やURLを残すことです。

3行でわかる

  1. 連絡先は払い方で決まります。カードはカード会社に支払いの停止を頼み、振込は振込先の銀行と警察に連絡します。代引きは、開ける前なら受け取りを断ります。
  2. サイトのURL・画面・注文確認メール・振込明細・やりとりを残し、警察(#9110または警察署)と消費者ホットライン188に相談します。
  3. 「返金するのでLINEで連絡を」という連絡には応じません。返金の相談は、払ったカード会社や銀行、決済事業者に直接します。

01 結論から言うと偽の通販サイトで払ったら、最初に何をする?

偽の通販サイトで払ったと気づいたら、払った先にすぐ連絡します。カードはカード会社、振込は振込先の銀行と警察、コード決済や電子マネーは決済事業者です。早いほど、返金や被害の広がりを止められる可能性が上がります。

国民生活センターも「素早い対処が重要です」としています。払い方ごとの連絡先は04にまとめました。

サイトがAIで作られたかどうかは、手続きには関係しません。警察庁や国民生活センターの案内は払い方ごとの連絡先と証拠と相談で、AIかどうかで分けていません。

この記事は、買ってしまった「あと」のことだけを書きます。注文する前の見分け方は、悪質通販サイトの見分け方7つや偽ショップを注文前に見抜く5つのチェックで整理しています。有名人の偽広告から投資のお金を払った場合は、投資広告で払ったときの返金の手順を読んでください。

02 研究とデータでわかっていること偽の通販サイトの被害は、どれくらいある?

日本では2025年に悪質なショッピングサイト等の通報が31,047件ありました。偽物の相談の約6割は代引き配達に関するものでした。海外の調査では、返金を求めても全額戻ったのは3人に1人ほどでした。

31,047件2025年にJC3(日本サイバー犯罪対策センター)が受けた悪質なショッピングサイト等の通報(通報の数で、被害の数ではない)
12,648件2021年度に全国の消費生活センター等に寄せられた偽サイトの相談(国民生活センター)
59.3%2022年度、ネット通販の偽物の相談のうち、代引き配達に関するものの割合
31%オーストラリアの調査で、ネット通販の詐欺で返金を求めた人のうち、全額が戻った割合(一部29%、戻らない31%)

警察庁(2026年3月)[3]

ネットショッピングの詐欺や偽ブランド品販売を目的とするサイトの被害が多発しており、警察庁に集まる偽サイトのURL情報の件数は右肩上がりに増えています。大手ECサイトを装った偽サイトを作るときに、生成AIを使って改修していた事件も報告されています。

対象: 都道府県警察等が相談を通じて把握したURL情報と事件の例 / 限界: AIが使われた偽サイトが全体のどれくらいかは示されていません。

日本サイバー犯罪対策センター(JC3)(2025年統計)[5]

2025年の悪質なショッピングサイト等の通報は31,047件(上半期18,738件、下半期12,309件)でした。サイトを知ったきっかけは「インターネット検索結果」が最も多く、支払い方法は銀行振込が最も多い回答でした。

対象: JC3に寄せられた通報 / 限界: 2025年5月末に受付の仕組みと項目が変わり、過去の数字も修正されています。

国民生活センター(2023年1月・4月)[7][8]

偽サイトの相談は2021年度に12,648件で、商品が届かない、偽物が届く、業者と連絡が取れないといった内容でした。ネット通販の偽物の相談のうち代引き配達に関するものは、2017年度の9.5%から2022年度は59.3%に増えました。開封したあとで、宅配業者から受け取り拒否も返金もできないと言われた事例もあります。

対象: 全国の消費生活センター等に寄せられた相談(PIO-NET) / 限界: 相談の数で、被害の全体ではありません。

Edwards, Whittaker, Cross, Button(2025)[1]

オーストラリアの1,011人の調査です。ネットで買い物をした986人のうち314人(32%)が、ネット通販の詐欺でお金を失った経験がありました。直近1年の490件のうち90%で返金を求め、全額が戻ったのは31%、一部が29%、戻らなかったのが31%でした。お金を失った人と失っていない人で、ふだんの用心の頻度にほとんど差はありませんでした。

対象: オーストラリアのオンライン調査に答えた大人 / 限界: 本人の申告によるもので、著者は、ただの対応の悪さまで「詐欺」と答えた人がいた可能性を挙げています。日本の数字ではありません。

Bitaab ほか(2025)[2]

2023年5月〜2024年6月に115万5,237の通販サイトのドメインを集め、46,746を詐欺の通販サイトと判定しました。自動で41,863回の購入手続きをして、5,278の加盟店ID(支払いの受け取り口)を見つけました。別々のサイトが同じ受け取り口を使っていることもありました。支払い画面で別のドメインに飛ばし、決済事業者から元のサイトを隠す仕組みもありました。

対象: 2023〜2024年に集めた通販サイトのドメイン / 限界: 機械学習で判定したサイトで、被害者の数や返金の結果は調べていません。

この研究は、偽の通販サイトがフィッシングと違って実際に支払いを受け取っていること、だから決済事業者が被害者への返金やチャージバック(売上の取り消し)に関わりうることも指摘しています。カードやコード決済で払ったなら、その会社に早く知らせる意味があります。

03 まだわかっていないことAIで作った偽ショップは、どれだけ増えている?

わかっていません。AIで作られた偽の通販サイトの数や割合も、払い方ごとにどれだけお金が戻ったかも、今回調べた日本の公的資料では確認できませんでした。

  • 警察庁は生成AIで偽サイトを改修した事件を報告していますが、偽サイト全体のうちAIが使われたものの区分はありません。
  • JC3や国民生活センターの数字は通報・相談の数です。届け出なかった人を含む被害の全体は、日本ではわかっていません。
  • カード・振込・代引きなど払い方ごとの返金の割合を示す日本の数字は、見つかりませんでした。上の返金の数字はオーストラリアの調査です。
  • AIで作られたサイトのほうが人に見抜かれにくいかを、通販サイトで確かめた研究は見当たりませんでした。

04 今日からできること払ってしまったあと、今日やることは?

払った先への連絡、証拠を残す、警察と188への相談、パスワードの変更、「返金します」の連絡を断ること。この5つを今日のうちに進めます。窓口への相談は無料です。

1

払い方に合わせて、払った先に連絡する

カード: カード会社に連絡して支払いの停止を頼みます。振込: 振込先の口座がある銀行にすぐ連絡し、振り込め詐欺救済法による救済を申し出て、警察にも届け出ます(流れは振り込んでしまったときの記事に)。代引き: 届いた荷物は代金を払う前に送り状の「依頼人」を見て、注文先と違えば受け取りを断ります。払ったあとで偽物とわかったら、販売業者や依頼人に返品と返金を求めます。コード決済・電子マネー: 決済事業者に相談します。

目安 気づいたらすぐ、電話1本10分

2

サイトとやりとりの記録を残す

警察庁は、サイトのURLと画面、運営者として書かれた会社名・住所・電話番号、注文した日時、振込先の銀行名・口座番号・名義、振込明細、メール・電話・手紙のやりとりを、時系列で整理しておくよう案内しています。サイトの画面は、スクリーンショットで保存しておきます。

目安 20分

3

警察と消費生活センターに相談する

URLと画面を持って、最寄りの警察署かサイバー犯罪相談窓口に相談します。先に電話して、持ち物を確かめておくと進めやすくなります。業者とのやりとりや返品の相談は、消費者ホットライン188で近くの消費生活センターにつながります。海外の業者なら、国民生活センターの越境消費者センターにオンラインで相談できます。

目安 当日〜数日のうちに

4

入力したIDとパスワードを変える

偽サイトでIDやパスワードを入力したなら、同じものを使っているほかのサービスも含めて変えます。カード番号を入力しただけでも、カード会社に連絡します。

目安 1サービス5分

5

「返金します」の連絡には応じず、URLを通報する

返金手続のためと言われて、LINE等のSNSのメッセージでやりとりを求められても応じません。偽サイトのURLは、JC3の悪質ECサイトホットラインに通報できます。JC3は通報を分析し、フィルタリングやセキュリティの事業者に情報を提供しています。

目安 通報1件5分

困ったときの相談先
警察相談専用電話 #9110: 被害の相談に。発信地の都道府県警察の相談窓口につながります。受付時間は都道府県警察ごとに異なります(愛知県警は平日9時〜17時)。緊急時は110番。
消費者ホットライン 188: 近くの消費生活センター等につながります。施設点検日や年末年始を除き、原則毎日使えます。

お金を失ったことでいま暮らしが苦しいときは家計の立て直しと公的な貸付を、だまされた自分を責めてしまうときは自分を責める気持ちについての記事を読んでください。

05よくある質問

偽の通販サイトにカードで払ったお金は戻る?

必ず戻るとは言えませんが、まずカード会社への連絡が先です。警察庁は、偽ショッピングサイトにカード番号を入力したらカード会社に連絡して支払いの停止を頼むよう案内しています。研究でも、カード会社などの決済事業者は返金や売上の取り消し(チャージバック)に関わりうるとされています。取り消しができるかどうかはカード会社に確かめます。

偽物が届いた。送り返せば返金される?

返金されるとは限りません。国民生活センターは、代引きで払って偽物とわかった場合は、販売業者や送り状の「依頼人」に返品と返金を求めるよう案内しています。ただ、開封後は宅配業者から受け取り拒否も返金もできないと言われた事例があり、販売業者と連絡が取れないことも多いです。送り返す前に、消費者ホットライン188に相談します。

「返金するのでLINEで連絡を」と言われたら?

応じないでください。国民生活センターは、返金手続のためと言われてLINE等のSNSのメッセージ機能でやりとりを求められても、決して対応しないよう呼びかけています。返金の相談は、払ったカード会社や銀行、決済事業者に直接します。

気をつけていたのにだまされた。自分が悪い?

自分を責める必要はありません。オーストラリアの1,011人の調査では、ネット通販の詐欺でお金を失った人と失っていない人で、ふだんの用心の頻度にほとんど差がありませんでした。差があった項目は、むしろお金を失った人のほうがよく行っていました。偽サイトは検索結果やSNS広告から客を集めています。

「詐欺・なりすまし」を順に読む
備える → 起きたとき(この記事) → 立て直す
この悩みのガイドを見る

出典

  1. Edwards, M., Whittaker, J., Cross, C., & Button, M. (2025). An exploratory study of victimisation and near misses in online shopping fraud. Global Crime, 26(1), 69-89. https://doi.org/10.1080/17440572.2024.2423918
  2. Bitaab, M., Karimi, A., Lyu, Z., Oest, A., Kuchhal, D., Saad, M., Ahn, G.-J., Wang, R., Bao, T., Shoshitaishvili, Y., & Doupé, A. (2025). SCAMMAGNIFIER: Piercing the Veil of Fraudulent Shopping Website Campaigns. Network and Distributed System Security (NDSS) Symposium 2025. https://dx.doi.org/10.14722/ndss.2025.240763
  3. 警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(2026年3月) https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R7/R07_cyber_jousei.pdf
  4. 警察庁「偽ショッピングサイト・詐欺サイト対策」 https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/countermeasures/fake-shop.html
  5. 日本サイバー犯罪対策センター(JC3)「悪質なショッピングサイト等に関する統計情報(2025年)」 https://www.jc3.or.jp/threats/topics/article-691.html
  6. 日本サイバー犯罪対策センター(JC3)「商品が届かないなどの悪質なECサイトの通報の受付を開始」(2025年5月30日) https://www.jc3.or.jp/news/2025/20250530-620.html
  7. 国民生活センター「その通販サイト本物ですか!?“偽サイト”に警戒を!!」(2023年1月30日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230130_1.html
  8. 国民生活センター「偽物が届くインターネット通販トラブルで“代引き配達”の利用が増加しています!!」(2023年4月26日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230426_1.html
  9. 国民生活センター「そのサイト、大丈夫?ネット通販で商品を購入する前に確認を!-「悪質通販サイト情報」を公表します-」(2024年6月26日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240626_1.html
  10. 国民生活センター「悪質通販サイトにご注意ください-フリマサイトの画像や文言を流用したサイトも!-」(2026年6月17日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260617_1.html
  11. 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
  12. 愛知県警察「警察相談専用電話 #9110」 https://www.pref.aichi.jp/police/soudan/dial/jumin/soudan.html