仕事・キャリア

AIの影響で仕事や契約を失った。再就職の研究では、早めに「探し方の支援」と人の支えを得るのが近道だった

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本を整理出典照合済み(2026-10-09)
机の上のノートとペン
Photo: Phil Slattery / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

AIの導入で担当の仕事がなくなった。翻訳や文章の依頼が急に減って、契約が終わった。そんなとき、頭が真っ白になるのは自然なことです。仕事を失った人を調べた研究では、職探しを一人で抱え込まず、「探し方の支援」を受けた人や、人の支えを得て動けていた人ほど、再就職につながりやすいという結果が出ています。

3行でわかる

  1. 47件の研究をまとめた分析では、職探しの支援プログラムを受けた人は、受けなかった人より就職できるオッズが2.67倍でした。
  2. 効いていたのは「探し方の技術」と「やる気を支える工夫」の両方がそろった支援です。失業して間もない人のほうが、効果が大きく出ていました。
  3. 最初の数週間は、手続きの窓口に行く、支援を予約する、話せる人に伝える、の3つから始めます。

01結論から言うと

仕事を失った直後は、一人で求人を探し続けるより、早めに職探しの支援を受け、周りの人に状況を伝えるほうが再就職に近づくと考えられます。研究では、技術とやる気の両方を支える支援が効いていました。

仕事を失った理由がAIでも、ほかの理由でも、直後にやることは大きく変わりません。生活の手続きを済ませ、探し方を整え、支えてくれる人を確保することです。

AIでどんな仕事が影響を受けやすいかは、AIに仕事を奪われるのは本当?の記事で、職業ごとの研究から整理しています。

02研究とデータでわかっていること

職探しの支援を受けた人は、受けなかった人より就職しやすく、2年後も収入や気分の面で差が残っていました。支援の効果は、探し方の技術とやる気の支えがそろったときに出ていました。

2.67倍職探しの支援を受けた人が就職できるオッズ(受けなかった人との比較。47件の研究のまとめ、2014年)
1,801人職探しの講座をランダムに割り当てた実験の参加者。2年後も再就職と月収で差があった(2000年)
3か月後職探しに時間を使う、助けになる人と話すといった対処をしていた人ほど、再就職していた(失業中の314人のうち3か月後に答えた123人、2015年)

研究で効果が大きかった支援の中身を整理すると、次のとおりです。

Liuら(2014)[1]

実験や準実験で効果を調べた47件の職探し支援をまとめました。支援を受けた人は、受けなかった人より就職できるオッズが2.67倍でした。ただし効果が出たのは、探し方の技術を育てる内容と、やる気を高める内容の両方を含む支援だけでした。失業して間もない人は、長く失業している人より効果が大きく出ていました。

対象: 47件の職探し支援の評価研究(メタ分析) / 限界: 国や時代、支援の中身がさまざまな研究をまとめたもの。AIによる失業に限った分析ではない。

Vinokurら(2000)[2]

仕事を失った人を、職探しの講座を受けるグループと受けないグループにランダムに分けました。2年後、講座を受けたグループは再就職の割合と月収が高く、気分の落ち込みの症状が少ない状態でした。はじめに職探しの意欲や「自分でなんとかできる」感覚が低かった人ほど、講座の効果が大きく出ていました。

対象: 米国の失業者1,801人(ランダム化した実地の実験) / 限界: 1990年代の米国での結果で、日本の制度や今の求人の状況にそのまま当てはまるとは限らない。

Soloveら(2015)[3]

失業中の人に、3か月をあけて2回答えてもらいました。「職探しに時間と力を集中する」「仕事探しを助けてくれそうな人と話す」といった、問題そのものに向き合う対処をしていた人ほど、3か月後に再就職している傾向がありました。自尊感情が高い人や、家族や友人の支えがある人ほど、こうした対処をしやすい傾向でした。

対象: 米国の失業中の大人314人(平均51.9歳、失業期間の平均は約1.5年、オンラインで募集) / 限界: 3か月後に答えたのは123人(約4割)に減っており、関連を見た研究のため、原因と結果までは言い切れない。

03まだわかっていないこと

AIが原因で仕事を失った人に限って、再就職の道のりを追った研究は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。ここで紹介した結果は、失業全般の研究からの推測です。

  • AIで仕事を失った人は、ほかの理由の失業と比べて、再就職のしやすさや期間が違うのか。
  • フリーランスのように「契約が減った」形の仕事の喪失でも、同じ支援が同じように効くのか。今回の研究は、職を失って仕事を探している人が対象。
  • 日本の公的な職探しの支援で、どの内容がどのくらい効くのかを比べた研究は少ない。

04今日からできること

最初の数週間は、生活の手続き、職探しの支援の予約、話せる人への連絡の3つを先に済ませます。どれもお金はかかりません。

1

手続きの窓口に、まず一度行く

日本では、失業したときの雇用保険の手続きや職探しの相談は、住んでいる地域のハローワークが窓口です。会社から受け取った書類を持って行き、自分が使える制度を一緒に確認してもらいます。

目安 1回・半日

2

職探しの講座や個別相談を予約する

研究で効いていたのは、探し方の技術とやる気の支えがそろった支援でした。応募書類や面接の講座、担当者との個別相談など、両方を含むものを選びます。失業して間もない時期ほど効果が大きく出ていました。

目安 最初の2週間のうちに1回

3

話せる人に、状況と希望を伝える

家族、元同僚、知人のうち2〜3人に「仕事を探している」と伝えます。仕事探しを助けてくれそうな人と話すことは、再就職と関わっていた対処の一つでした。

目安 1人5分の連絡を3人

4

1週間の小さな目標を書き出す

「求人を5件読む」「応募書類を1通直す」など、達成できる大きさの目標を週の初めに書きます。目標を立てることは、効果の大きかった支援に含まれていた要素です。

目安 週1回・10分

仕事を失った直後は、「AIで簡単に稼げる」といった副業の勧誘も目に入りやすくなります。契約の前に見る点は、「AIで簡単に稼げる」副業の勧誘は本物?にまとめています。

困ったときの相談先
ハローワーク: 雇用保険の手続き、職探しの相談、職業訓練の案内。住所を管轄する窓口に行きます。

05よくある質問

AIのせいで仕事を失ったら、まず何をすればいい?

最初に、雇用保険などの手続きの窓口であるハローワークに行きます。次に、職探しの講座や個別相談を予約し、話せる人に状況を伝えます。47件の研究のまとめでは、職探しの支援を受けた人は就職できるオッズが2.67倍で、失業して間もない人ほど効果が大きく出ていました。

一人で求人サイトを見ているだけではだめ?

だめではありませんが、研究で効果が出ていたのは、探し方の技術とやる気を支える内容の両方を含む支援でした。求人を探すだけでなく、応募書類や面接の練習、目標を立てることを組み合わせると、研究で効いていた形に近づきます。

年齢が高いと、職探しの支援は意味がない?

そうとは限りません。47件の研究のまとめでは、中年層より、若い人と年齢の高い人で支援の効果が大きく出ていました。年齢を理由に支援をあきらめる必要はありません。

落ち込んで動けないときはどうする?

無理に一人で動こうとしなくて大丈夫です。2000年の実験では、はじめに意欲や「なんとかできる」感覚が低かった人ほど、職探しの講座の効果が大きく出ていました。気分の落ち込みが続くときは、医療機関や地域の相談窓口に相談できます。

出典

  1. Liu S, Huang JL, Wang M (2014). Effectiveness of job search interventions: a meta-analytic review. Psychological Bulletin, 140(4), 1009-1041. https://doi.org/10.1037/a0035923
  2. Vinokur AD, Schul Y, Vuori J, Price RH (2000). Two years after a job loss: long-term impact of the JOBS program on reemployment and mental health. Journal of Occupational Health Psychology, 5(1), 32-47. https://doi.org/10.1037/1076-8998.5.1.32
  3. Solove E, Fisher GG, Kraiger K (2015). Coping with Job Loss and Reemployment: A Two-Wave Study. Journal of Business and Psychology, 30, 529-541. https://doi.org/10.1007/s10869-014-9380-7