詐欺・なりすまし

AIの偽の裸の画像で脅されたあと、「いつかばらまかれる」不安が消えない。研究では警察に相談した人は少なく、時間がたってからでも相談と削除の助言は受けられる

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的資料3件を整理
薄暗い台所の窓
Photo: Voxbyrox / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関の資料をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

AIで作られた自分の裸の偽画像で脅され、払ったか、返信をやめたか、とにかくその場は過ぎた。それでも「いつか誰かに送られるかも」と、通知が鳴るたびに体がこわばる。そんな状態が続いている人へ。研究では、同じ経験をしても誰にも話せず、警察にも相談しない人が多いことがわかっています。時間がたってからでも使える手立てを整理します。

3行でわかる

  1. 性的な画像で脅された人には、落ち込みや不安、人間関係への影響が報告されており、偽の画像でもつらさは本物です。
  2. 研究では、脅された中高生のうち警察に相談したのは16%で、3人に1人は誰にも話していませんでした。
  3. 時間がたっていても、#9110や#8103に相談でき、画像がネットに載ったときは削除の助言も受けられます。

01 結論から言うと脅されたあとの不安は、どう小さくする?

ひとりで見張り続けるのをやめ、「次に連絡が来たら」「画像が見つかったら」の手順を先に決めておくことです。時間がたっていても警察に相談でき、ネットに載ったときは削除の助言を受けられます。

不安が消えないのは、いつ何が起きるかわからないからです。わからないことは減らせませんが、「起きたらこうする」は今決められます。決めてしまえば、通知のたびに最悪の場面を想像し直さなくてすみます。

画像が偽物でも、怖かったこと、恥ずかしかったことは本物です。払ってしまった人も、払わなかった人も、あなたは被害を受けた側です。

02 研究とデータでわかっていること性的な画像で脅された人は、そのあとどうなる?

研究のまとめでは、落ち込みや不安、家族や友人との関係の悪化が報告され、相談しない人が多いこともわかっています。要求に応じたあと、さらにお金や画像を求められた例もありました。

4.74%性的な画像で脅された経験がある米国の大人(2023年秋の調査)
1.13%性的な偽画像(ディープフェイク)の被害を経験した米国の大人(同)
16%脅された米国の中高生(12〜17歳)のうち、警察に相談した割合
3人に1人同じ調査で、誰にも打ち明けなかった割合

Ray, Henry / ロイヤルメルボルン工科大学(2025年)[1]

性的な画像での脅しについての研究24件をまとめたレビューです。脅された人には、落ち込みや不安などが報告され、家族や友人との関係を失った、仕事や学校を変えたという例もありました。お金や追加の画像を送って要求に応じた人では、さらに要求が増えた例が報告されていました。相談や通報が少ない理由として、恥ずかしさ、怖さ、警察やSNSの運営への不信が挙げられていました。

対象: 2016〜2023年に出た研究24件(米国8件、スペイン4件など。大人を対象にした研究では、経験した人の割合は4.0〜18.7%) / 限界: 研究ごとに調べ方や定義が違います。AIで作った偽画像に限った研究ではありません。

Ruvalcabaら / 米国(2026年)[2]

米国の大人を代表するように重みづけしたオンライン調査で、これまでの人生で、性的な画像で脅された経験は4.74%、性的な偽画像(ディープフェイク)の被害は1.13%でした。同性愛者などの性的少数者、障害のある人、若い人で高い傾向がありました。珍しい被害ではないということです。

対象: 2023年秋に2つのウェブ調査に答えた米国の大人 / 限界: 本人の回答による調査で、日本の状況はわかりません。

Parton, Rogers / シェフィールド大学(2026年)[3]

性的な画像を使った被害で、周りが被害者を責めること(被害者非難)を調べた研究31件をまとめました。本人が自分で撮った画像だと責められやすい傾向がありました。紹介されている研究では、同意なく偽の性的な動画を作ったり広めたりすることも、本物の画像を広めるのと同じくらい有害だと受け止められていました。

対象: 英国・米国・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの研究31件 / 限界: 日本の研究は含まれていません。

米国の中高生5,568人の調査では、脅された人のうち、サイトやアプリに通報したのは21%、警察に相談したのは16%で、3人に1人は誰にも打ち明けていませんでした。話した人の相手は、友人や親が多くなっていました。話せずにいるのは、あなただけではありません。

03 まだわかっていないこと不安はいつまで続く?画像は本当に広まる?

どちらもまだわかっていません。今回確かめた研究には、脅されたあと実際に画像が広められた割合や、不安が和らぐまでの期間を、同じ人を追って調べたものは見つかりませんでした。

  • 脅しのあと、実際に画像が広められるのはどのくらいか。払った場合と払わなかった場合で差があるか。
  • 不安がどのくらい続き、何が回復を助けるのか。
  • 日本で、AIの偽画像を使った脅しがどのくらい起きているか。

04 今日からできること落ち着いた今のうちに、何をしておく?

記録をまとめる、遅くても警察に相談する、「再び連絡が来たら」「画像を見つけたら」の手順をメモする、1人に話す、の4つです。どれも今日から始められます。

1

残っている記録を1か所にまとめる

警察庁は、相手からの着信履歴や送られてきたメッセージを消さずに保存するよう案内しています。残っている画面、相手のアカウント名、日時、払った場合は振込先や金額を、1つのフォルダかメモにまとめます。消してしまった分は、覚えていることを書き出します。

目安 20分

2

時間がたっていても、警察に相談する

#9110は、犯罪かどうか判断がつかない内容でも相談できる窓口です。性的な被害は#8103(性犯罪被害相談電話)が使えます。「もう終わったこと」と思っていても、相談した記録が、次に何か起きたときの支えになります。

目安 電話1本

3

「もしも」の手順をメモにしておく

再び連絡が来たら「払わない・返信しない・記録して警察へ」。画像がネットで見つかったら「URLと日時を記録して、削除の相談へ」。この2行をスマホのメモに入れておくと、通知のたびに考え直さなくてすみます。

目安 5分

4

信頼できる人に1人だけ話す

研究では、恥ずかしさや怖さが相談の壁になっていました。責めずに聞いてくれそうな人を1人選び、「偽の画像で脅されたことがある」とだけ伝えます。周りに知られたときに、先に味方がいるだけで違います。

目安 1回10分

困ったときの相談先
警察相談専用電話(#9110)・性犯罪被害相談電話(#8103): 脅しの相談。身の危険を感じるときは110番。
違法・有害情報相談センター(総務省の委託事業): 画像がネットに載ったとき、削除依頼のしかたの助言を受けられます。

だまされたことで自分を責めてしまうときはAIを使った詐欺にだまされて、自分を責めてしまうを、防げたのに不安が続くときはAIの声で家族をかたる電話があった。被害は防げたのに不安が続くも参考にしてください。子どもが同級生の偽画像に関わってしまったときは子どもがAIで同級生の性的な偽画像を作ってしまったで整理しています。

05よくある質問

脅されてから時間がたっていても、警察に相談していい?

相談できます。#9110は、犯罪かどうか判断がつかない内容でも相談できる窓口です。性的な被害の相談は#8103が使えます。当時のやりとりが残っていれば持っていき、消してしまった場合も、覚えている日時やアカウント名をメモして相談します。

払ってしまったけれど、もう連絡はない。このまま忘れていい?

忘れようとしてかまいませんが、同じ相手や別の名前で再び連絡が来ることに備えておくと安心です。研究のまとめでは、要求に応じたあとに要求が増えた例が報告されています。再び連絡が来たら払わず、記録を残して警察に相談します。

偽の画像なのに、こんなに落ち込むのはおかしい?

おかしくありません。研究のまとめでは、性的な画像で脅された人に、落ち込みや不安、人間関係への影響が報告されています。紹介されている研究では、偽の性的な動画を作ったり広めたりすることも、本物の画像と同じくらい有害だと受け止められていました。

眠れない、外に出るのが怖いといった状態が2週間以上続くときは、ひとりで抱えず、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの窓口にも相談できます。

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出典

  1. Ray, A., & Henry, N. (2025). Sextortion: A Scoping Review. Trauma, Violence, & Abuse, 26(1), 138–155. https://doi.org/10.1177/15248380241277271
  2. Ruvalcaba, Y., Ray, C., Zinter, K. E., Le, V. D., Berra, L., & Leemis, R. (2026). Nonconsensual Pornography, Sextortion, and Deepfake Pornography Victimization: Findings from a National Online Sample of U.S. Adults. Archives of Sexual Behavior. https://doi.org/10.1007/s10508-026-03503-4
  3. Parton, L. E., & Rogers, M. M. (2026). An Exploration of Victim Blaming and Bystander Intervention in the Context of Image-Based Sexual Abuse: A Scoping Review. Behavioral Sciences, 16(5), 757. https://doi.org/10.3390/bs16050757
  4. 警察庁「リベンジポルノ等の被害を防止するために」 https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/shiseigazouboushi/index.html
  5. 警察庁 犯罪被害者等施策「#8103(ハートさん)」 https://www.npa.go.jp/higaisya/seihanzai/seihanzai.html
  6. 政府広報オンライン「警察に対する相談は警察相談専用電話「#9110」番へ」 https://www.gov-online.go.jp/article/201309/entry-7508.html