プライバシー・個人情報

個人情報の流出から数か月たっても、不安が続く。半年・1年後まで確かめるのは、明細・ログイン・信用情報の3つ

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わかっている度 ★★☆ 中研究2本・公的資料など13件を整理出典照合済み(2026-10-10)
机と椅子が並ぶ静かな事務室
Photo: Brackett, J. Raymond / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

流出の通知を受けて、パスワードも変えた。それから何か月もたつのに、知らない番号からの電話や見慣れない請求のたびに、あの流出のせいではと胸がざわつく。そう感じるのは自然なことです。この記事は、通知の直後ではなく、その後の半年・1年をどう過ごすかに絞って整理します。

3行でわかる

  1. 数か月後も続けて確かめるのは、カードと口座の明細、ログインの登録情報、借入れの記録(信用情報)の3つです。確認の日を決めておけば、ふだんは気にしなくて済みます。
  2. 米国の2021年の調査では、1年間に悪用の被害にあったのは16歳以上の9%で、その多くは今あるカードや口座の不正利用でした。新しい口座を勝手に作られた人は16歳以上の1%未満でした。
  3. 被害の片づけに時間がかかった人ほど、強い苦痛を感じる割合が高い傾向がありました(どちらが原因かまではわかりません)。見つけたことは早めに窓口へ渡し、ひとりで抱え続けないようにします。

01 結論から言うと流出から数か月、まだ何か確かめるべき?

確かめることは残りますが、毎日でなくてかまいません。明細・ログインの登録情報・信用情報の3つを、月1回や半年ごとなど決めた日に見る形にすると、不安に振り回される時間を減らせます。

流出の直後にやることは、漏えいの通知が来たときの記事と、AIに個人情報を入力してしまったときの記事で整理しました。ここでは、その後も続く「念のための確認」と、気持ちの戻し方を扱います。

ポイントは、確認を「気になったとき」ではなく「決めた日」に行うことです。日を決めておけば、それ以外の日は「次の確認日に見ればいい」と考えられます。

02 研究とデータでわかっていること流出した情報は、どのくらい悪用される?

米国の公的調査では、1年間に流出の通知を受けた人は12%、悪用の被害にあった人は9%でした。被害の多くは既存のカードや口座の不正利用で、片づいた被害の半数以上は1日以内に済んでいました。

12%過去1年に流出の通知を受けた人(米国の16歳以上、2021年)
9%過去1年に個人情報を悪用された人(同じ調査)
1%未満個人情報で新しい口座を勝手に作られた人(同じ調査)
56%問題が片づいた被害者のうち、かかった時間が1日以内だった人(同じ調査)

米国司法省 司法統計局(2023年・2024年) [1][2]

2021年の調査で、過去1年に個人情報を悪用された人は16歳以上の9%(約2,390万人)でした。被害者の76%は、直近の被害がカードや銀行口座など、今ある口座1種類の不正利用でした。個人情報で新しい口座を作られた人は1%未満でした。同じ1年に流出の通知を受けた人は16歳以上の12%で、被害者では24%、被害のない人では11%と、被害者のほうが2倍ほど多くなっていました。

対象: 米国の16歳以上の住民(全国犯罪被害調査の補足調査、2021年7〜12月に実施) / 限界: この数字からは、通知と被害のどちらが先だったかや、流出が被害の原因だったかはわかりません。日本の数字ではありません。

この数字からいえるのは、流出の通知を受けることは珍しくない一方、悪用の多くは明細で気づける種類だということです。同じ調査では、被害に気づいたきっかけは「金融機関から不審な利用の連絡があった」が24.6%、「明細で不正な請求に気づいた」が19.4%でした。

米国司法省 司法統計局(2023年) [1]

問題が片づいた被害者のうち56%は、かかった時間が1日以内でした。1か月以上かかった人は約10%でした。強い苦痛を感じた被害者は全体の10%で、片づけに時間がかかった人ほど、その割合は高くなっていました。

対象: 2021年の米国の被害者。直近の1件についての回答 / 限界: 片づけが長引いたから苦しくなったのか、もともと深刻な被害ほど長引くのかは区別できません。

Maher & Hayes(2024年) [3]

米国の全国調査に答えた被害者1,557人を分析すると、被害の片づけにかかった時間が長いほど、体や心の苦痛などの指標がどれも強い傾向がありました。失ったお金との関連は、損失の測り方によって見え方が変わりました。著者らは、お金以外の被害には、それに合わせた支えが必要だと述べています。

対象: 米国の全国犯罪被害調査の補足調査に答えた被害者 / 限界: 一時点の調査で、関連を示すもの。因果関係はわかりません。

Nevin ら(2026年) [4]

2021年の同じ調査を使った探索的な研究で、流出の通知を受けていた人は、銀行口座の不正利用や新しい口座を作られた被害では、苦痛が小さい傾向がありました。

対象: 米国の被害者 / 限界: 探索的な分析で、すべての被害の種類で見られたわけではありません。なぜ苦痛が小さかったのかは、この研究からはわかりません。

03 まだわかっていないこと自分の流出が悪用される確率はわかる?

わかりません。紹介した数字は米国の調査で、流出した項目や時期ごとの確率までは示していません。日本で、流出の数か月後にどれくらい悪用が起きるかを追った研究は見つかりませんでした。

  • 流出した項目(メールアドレスだけか、本人確認書類の画像まで含むか)ごとに、悪用の起きやすさがどう違うか。
  • 流出から何か月、何年たてば確認をやめてよいか。公的機関の資料で、安全になる時期を示したものは見当たりませんでした。
  • 決まった日に確認する方法が、不安を小さくするかどうか。これを直接試した研究は見つかりませんでした。
  • AIサービスから漏れた会話の内容が、どのように悪用されうるか。

04 今日からできること半年・1年後まで、何をどう続ける?

月1回は明細と登録情報を見る、本人確認書類が漏れたなら信用情報の申告と開示を使う、見つけたことはすぐ窓口へ渡す。この3つを続け、「削除します」という連絡には応じません。

何をいつ見るところ
カード・口座の明細月1回請求額だけでなく、利用日・店名・金額・支払い方法
ログインの登録情報月1回登録メールアドレスと電話番号に、見覚えのないものがないか
信用情報半年後・1年後など区切りで身に覚えのない借入れや契約が登録されていないか
1

月1回の「確認日」を決めて、明細を1件ずつ見る

日本クレジット協会は、請求額だけでなく利用日・店名・金額・支払い方法まで確かめ、覚えのない請求があればすぐカード会社に連絡するよう案内しています。カード会社の利用通知サービスを使うことも勧めています。

目安 月1回15分

2

登録メールアドレスと電話番号を見直す

IPAは、不正ログインにあったときの対応として、登録メールアドレスと電話番号を確かめ、見覚えのないものを削除するよう案内しています。サービスに「ログイン中の端末」の一覧があれば、あわせて見ておきます。

目安 月1回10分

3

本人確認書類が漏れたなら、本人申告と本人開示を使う

全国銀行個人信用情報センターでは、免許証などの情報(画像を含む)が漏れたおそれがあるとき「本人申告」を登録でき、加盟する金融機関が貸し付けの審査で参考にします。ただし悪用を防ぐ保証はなく、預金口座の開設では照会されません。「本人開示」では、自分の借入れの記録を確かめられます。信用情報機関はほかにもあり、それぞれに同じような申告の仕組みがあります。

目安 1回30分。手数料はインターネットで申告500円・開示800円(同センター)

4

見つけたら、その日のうちに窓口へ渡す

研究では、片づけが長引いた人ほど苦痛が強い傾向がありました。覚えのない請求はカード会社、身に覚えのない借金は消費生活センターへ。国民生活センターは、免許証の画像を撮られて勝手に借金されていた例を挙げ、気づいたらすぐ相談するよう呼びかけています。

目安 気づいた日に1件10分

5

「流出した情報を消します」という連絡には応じない

国民生活センターは、「あなたの個人情報が漏れているので、削除してあげる」という電話を自らすることは絶対にないとしています。こうした連絡は無視し、お金を求められたら消費生活センターに相談します。

目安 連絡が来たら、その場で返事をしない

流出のことを考えて自分を責めてしまうときは、詐欺にあって自分を責めてしまうときの記事で紹介した、話す相手の選び方も参考になります。

困ったときの相談先
個人情報保護法相談ダイヤル 03-6457-9849(平日9時30分〜17時30分): 事業者の個人情報の扱いへの苦情や、制度についての質問に。違法かどうかの判断はしていません。
消費者ホットライン 188: 身に覚えのない請求や契約、「削除します」という連絡に。相談は無料で、通話料がかかります。
警察相談専用電話 #9110: 悪用の被害や不審な連絡を警察に相談したいときに。緊急のときは110番。

05よくある質問

流出から1年たったら、もう確認しなくていい?

何か月たてば安全かを示した公的な資料は見当たりませんでした。明細を見る習慣は流出と関係なく役に立つので、月1回の確認日として続けます。信用情報の開示は、半年後・1年後など、気持ちの区切りにしたい時期に行う方法があります。

信用情報の開示では、何がわかる?

全国銀行個人信用情報センターの本人開示では、加盟する金融機関からの借入れなどの内容や支払い状況が、どう登録されているかを確かめられます。インターネットで申し込む場合はマイナンバーカードが必要で、手数料は800円です。郵送でも申し込めます。

知らない番号からの電話は、流出のせい?

一つひとつの電話が流出によるものかは、本人には確かめられません。大事なのは、どこから来た連絡でも、その場で個人情報やお金を渡さないことです。公的機関を名乗る連絡は、自分で調べた公式の番号にかけ直して確かめます。

不安で眠れない日が続くときは?

米国の調査でも、悪用の被害者の10%が強い苦痛を感じていました。不安が強いのは珍しいことではありません。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)は、かけた場所の都道府県などの公的な相談窓口につながります。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

「プライバシー・個人情報」を順に読む
知る → 備える → 起きたとき → 立て直す(この記事)
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出典

  1. Harrell E, Thompson A (2023). Victims of Identity Theft, 2021. Bureau of Justice Statistics, U.S. Department of Justice (NCJ 306474). https://bjs.ojp.gov/document/vit21.pdf
  2. Harrell E (2024). Data Breach Notifications and Identity Theft, 2021. Bureau of Justice Statistics, U.S. Department of Justice (NCJ 307824). https://bjs.ojp.gov/library/publications/data-breach-notifications-and-identity-theft-2021
  3. Maher CA, Hayes BE (2024). Nonfinancial Consequences of Identity Theft Revisited: Examining the Association of Out-of-Pocket Losses With Physical or Emotional Distress and Behavioral Health. Criminal Justice and Behavior, 51(3), 459-481. https://doi.org/10.1177/00938548231223166
  4. Nevin AD, Reynolds D, Lee JR, Quader S (2026). How Predictor-Consequence Relationships Vary Across Identity Theft Subtypes. Crime & Delinquency (online first, April 2026). https://doi.org/10.1177/00111287261440126
  5. 全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター「本人申告の手続き」 https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/return/
  6. 全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター「よくあるご質問(本人申告)」 https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/faq/faq3/
  7. 全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター「本人開示の手続き」 https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/
  8. 日本クレジット協会「カード利用明細を確認する|利用明細確認のポイント」 https://www.j-credit.or.jp/customer/5countermeasures-creditcard_fraud/creditcard-usage-details_confirm/Points_to_check_usage-details.html
  9. IPA 情報処理推進機構 (2025). インターネットサービスへの不正ログインによる被害が増加中. https://www.ipa.go.jp/security/anshin/attention/2025/mgdayori20250828.html
  10. 国民生活センター「アンケートに答えるアルバイトに応じたら勝手に借金されていた!」(2020年1月21日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20200121_1.html
  11. 国民生活センター「国民生活センターをかたるニセの電話やハガキにご注意ください」(2024年8月7日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240807_2.html
  12. 個人情報保護委員会「個人情報保護法相談ダイヤル」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/pipldial/
  13. 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
  14. 警察庁「警察相談専用電話『#9110』」 https://www.npa.go.jp/bureau/soumu/soudan/soudanmadoguti.pdf
  15. 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談 https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel